2011/9/7(水) 今日はツアーの最終日です。 まずはゆっくり目覚め、恒例の朝風呂で身体を暖めリラックスさせます。
7時の朝食はバイキングなのですが、おかずはほぼ和風メニューの為、ごはんと味噌汁にします。
そうそう、九州に来てから旅に出ると、朝食を食べてる人の殆どは、ご飯と味噌汁なので不思議に思っていました。 しばらくこちらに居ると、やはり都会と異なり常備菜もタップリ、通勤の心配もなく時間もタップリ、ご飯をゆっくり作りゆっくり賞味する習慣となり、自然と充実したご飯ベースの食事になるのでしょうね。
しかし都会では時間が無く、10分で用意できる電子レンジ料理や、トースターが焼いてくれるパン食と、コーヒー中心にならざるを得ないんでしょうねぇ・・・都会の朝食は慌しいからね。
食事を済ませユックリ準備して、まずはホテル裏の五老ヶ滝見物です。 駐車場から裏手に回り、案内板を見ながら山道を下って行くと、徐々に滝の轟音が聞こえて来ます。 歩いて5分ほど行くと綺麗な滝が見え隠れ、吊橋まで下ると真ん前に、落差50mの綺麗な大滝が、太陽に照らされキラキラ、あっ、下のほうに虹が出ています。しばらく見入ってしまいます、とても綺麗な良い滝です。
帰りは急な登りで、休みながら約8分かけ駐車場に戻り、次はホテル裏手の通潤橋の上まで行ってみます、当然ながら足元の眼鏡橋は見えませんが、遠くまで澄み切った青空と山々がとても綺麗です。
駐車場に戻り出発、通潤橋を真ん前から望む、道の駅に行き橋全体を眺めます。農閑期の週末だけは観光用に橋の真ん中から水を噴出する景色が楽しめるそうですが、今日は平日、写真を眺めて想像する事にしましょう。 (以下、通潤山荘HP参照)
山都町の中心部を一回りすると、普通の町ではとっくの昔に無くなってしまった、米屋、味噌屋、醤油屋、茶舗、金物屋、電器屋、文房具屋、本屋、駄菓子屋、酒屋などの個店が生き残っています。
この町の伝統と各店の個性により奇跡的に生き残ったのか、対外資本の流入を許さない品質と信頼とサービスで売っているのか、興味津々です。 タウン誌をチョット見ても、山奥にもかかわらず元気そうで独創性に溢れた面白そうな町です。 さて目的の通潤酒造の白壁造りの酒蔵が見えてきました。
何と右隣には山都酒造という蔵元が並んでおり、これも共存共栄、共に頑張り生き残った様です。
通潤酒造に入ると感じの良い女店員が試飲を勧めてくれますが、運転なので泣く泣くお断り、目的の「大吟醸通潤」と「原酒通潤」を購入、ついでにこの蔵元のポリシーを探り、今後の参考にします。
しばらくお話しながら資料の説明を聞いていると、結構HP等も充実しておりオープンで元気のある蔵元らしく、酒販免許が取れれば取引も可能の様子です。 心配な物流状況も宮崎方面、熊本から全国へ問題なく配送可能で一安心、蔵元のポリシーやセンスも良さそうなので、試飲の結果が良ければ再訪する事になりそうです。 余りゆっくり出来ないので、11時には熊本県中央部の最奥地に位置する山都町を出発、R218(R445並走区間)の坂道をひたすら下りダム湖迄直進し、今回の最難関R445の2t超車通行禁止区間へと左折し、五家荘、五木村、人吉の球磨地方へ抜ける急峻狭小コースに入ります。
最初は広かった2車線道路は徐々に狭くなり、1.5車線の急で狭いクネクネ道になり、このまま10数kmの登り道が続きます。 1km毎に「二本杉峠まであと10km」とカウントダウンの標識が出てきますが、この1kmが長~い! カーブ毎に減速・対向車を確認し、こちらは日中ですがライトはハイビーム、カーブミラーを注視しながらブラインドコーナーを走行します。
途中でワンボックス車と軽自動車、4WD車とすれ違いますが、その度に停車し、離合場所を探しすれ違いますが、駄目なら広い場所までバックです。 もう道路の幅も1車線そこそこなので、ノロノロ徐行で登り続けます。
ようやく最後の1kmの標識で長~いヒルクライムも終了、とても長く感じたけど30分位しか経ってなさそうです。
こんな道が延々と続きます。
酷道R445の高度断面図(R445HPより)
上り切ると二本杉峠、パッと開けた広い峠の駐車場横に東山本店という食堂兼売店があります。
お昼なのでここで昼食にします。 メニューは天神様コロッケ定食、600円です。 何故天神様なのかというと、菅原道真が福岡に島流しになった後、五家荘まで逃げ延びたとの伝説があり、道真を頼って壇ノ浦で滅亡した平家の落人が五家荘にたどり着き、五家荘(5つの家族の館)と呼ばれたらしい。(定かではないので、興味ある方は調べて) 長くなりましたが、天神コロッケ定食、山小屋の割には結構豪華で美味しい!600円は安い! 他にも山菜や柚子胡椒等の瓶詰めが売っており、美味しそうです。
ゆっくり休んだ後、平家の血を引いたと思われる上品な顔の女将さんに、道を確認すると五家荘迄の近道を教えてもらい五家荘に向けて出発です。
R445もやや広くなりましたが、すぐに九州山地最奥地の五家荘へ左折、再び道路は1車線少々をクネクネと断崖に沿って平家の里へ向かいます。
10数kmを走行し平家の里へ到着、やや開けた場所に駐車し、入場料400円を払い入場、民家を数軒移築してあり、その奥に立派な民俗資料館と能舞台が建っています。
説明員が一人いて、観光客に平家の落人について説明していますが、下手に知識がある観光客が先走って大声で喋り続けるので、説明員から怒られていました。
他に案内員も売店も無いので、帰路沿いの他の部落を回ることにし出発。 又、悪路をひた走り、次の部落へ行きますが、まず人がおらず物産を売っている様子もなく通過、部落を数箇所通り過ぎると、R445に出て左折し五木村方面です。
結局、五家荘の平家落人伝説も期待倒れだった様です。 手元に残ったのは変に豪華な絵巻物風のパンフレット1個だけ。
もう山奥に残ったのは老人だけで、若者達は都会に行ってしまい、もう地域興し等は無理な様です。
狭いR445今日中に宮崎に帰りつく予定なので先を急ぎ、相変わらずの狭い道を五木村に急ぎます。途中かなり狭い場所で、すれ違いを数回程度ありましたが、ほどなく五木村の物産館へ到着、小休止です。
ここは子守唄の里五木という道の駅で、ダムで沈む運命で既に民家も店もこの高台に移転したのですが、群馬の八ツ場ダム同様、工事が中断し、今も川底予定地には人が住んでいる中途半端な状況で、どうやら県知事が反対なので、周辺工事だけが完成し、ダム建設は廃止になりそうです。
全く無駄なカネと多大な時間を浪費したものです。
先を急ぎ、今日2番目の仕事で人吉市に向かいます。 ここは小生の母の実家があり、小生の出生地でもある馴染み深い町です。 ここで球磨焼酎の蔵元で見学、良い商品を探す予定です。
約1時間少々で、人吉城跡前の繊月酒造に到着、申込書に名前を書いて早速蔵を見学です。
若い女性社員が蔵の中を案内してくれ、麹製造から、もろみ発酵、蒸留装置、ブレンド、貯蔵、瓶詰めの工程を説明しながら案内してくれ、最後に試飲室に到着ですが、残念ながら小生は運転手なので目ぼしい商品探しです。
人吉でしか買えない甕繊月と、五木村の沈み行く川辺川にちなんだ、川辺の2本を試飲用に購入。 但し、説明で聞いた現在の製造量は、想定より多かったので、通販での販売は難しいかもしれません。(通販は量の少ない地酒だけに制限)
それなら来年まで待って、面倒な小売酒類免許も取り、通販と小売両方の免許を取る必要がありそうです。 なかなか商売を起業するのは制約が多く、難しいものです。
繊月所蔵工場入り口 繊月酒造 試飲室
人吉の繊月酒造を16時過ぎに辞し、下道で宮崎に向かいます。 人吉からは通いなれた道、約100kmの距離を下道でも2時間以内に宮崎に到着します。 山都町から走った距離より長い距離を、半分以下の時間で楽チンにドライブして帰還、本当に道路が良くなければ、モノも届かず商売はダメだな~。
ゴリケン